作陶開始から始めた仕事

この春で作陶を始めて14年。マスコミでの社歴を超え、陶芸の仕事の方が長くなり、月日が経つのが早いと感じます。
作陶を始めた1年目、虫明焼伝統の天然松灰を基調とした若草色や枇杷色の釉薬とは別の新しい色合いの釉薬を作りたいとブルーの釉薬を作り始めたのが現在の灰釉彩貫入(はいゆうさいかんにゅう)と呼ばれるキラキラと輝く釉薬です。
研究を始め製品化した当時と比べると当時はキラキラが少なく、少し青白い乳濁調でした。岡山天満屋での初個展で作り手以上にお客さんの反応がとても良かったのをよく覚えています。

ブルーの釉薬は最初1回の窯焚きで1割ほどしかとれなかったのが、現在は3割強位はとれるようになってきました。とにかく流れやすい釉薬なので、器の外側は流れすぎて板にくっついてしまうと品物にならないのが難点で、研究を重ねています。何年経っても難しいものです。
(現在の灰釉彩貫入作品の一例)

焼物に興味のなかった人でも手にしたくなる、使ってみたくなる色合いや輝きを表現できたらとの想いが強かったです。ガラスを割って溶かしたんですかとよくたずねられますが、釉薬が熔けて流れて溜まってガラス質の層を作っています。最近は透明や白濁調の新しいバージョンも発表してます。
(盃に掛けた2種類のバージョン)

現在、コバルト色やグリーンのものを研究していますが、まだ製品化にはもう少しかかりそうです。

釉薬の持つおもしろさ、変貌を焼物を通して感じてもらいたいと更なる進化を目指して研究しています。

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