岡山藩筆頭家老 伊木家の墓碑(瀬戸内市指定重要文化財)

梅雨も中休みに入ったようですが、蒸し暑さを感じます。窯焚きを終えて、天気も良かったので、窯元ギャラリーからすぐの岡山藩筆頭家老で虫明焼の礎を築いた伊木家の墓碑を訪ねてみました。岡山いこいの村に行く道の途中にあります。

岡山藩筆頭家老であった伊木家の領地として、池田藩より3万石、徳川より3千石賜り、藩士をこの虫明へ常置させ、本陣を作り、14代までこの地にいました。こうしたことから、虫明と伊木家との足がかりを築き、14代忠澄(後に三猿斎と号す)が京都より名工・仁阿弥道八、初代・清風与平、宮川香山(真葛)を招聘し、御庭焼として京風を帯びた薄造りのひなびた粟田風な虫明焼を焼かせたのが始まりです。

虫明焼は当時からお茶の世界とのつながりが強く、季節毎に絵柄や器のデザインが違う十二ヶ月茶盌、五節句茶盌という形と画の異なる茶盌、落雁細水指、高麗三島角水指などを作らせ、今日虫明焼の代表作と言われている茶道具を多く作らせました。それゆえ、茶道界においては知名度も高く、大きく取り入れられています。

窯変落雁水指(黒井千左 作)

三島角水指(黒井千左 作)

墓碑は私も小学生の時に遊びがてら行った覚えはありますが、ずいぶんと久しぶりです。山の中にあるので、少し急な階段や傾斜もあります。

墓碑は数カ所に分けて設置されています。瀬戸内市指定重要文化財ということですが、もう少し遊歩道として道中をきれいに整備していたら訪ねて見やすいと思います。窯元ギャラリーから墓碑まで歩いて10分もかからないので、興味のある方はギャラリーで見学やお買い物をされた後に散歩がてら寄ってみてもいいかもしれませんね。木々が青々としていて、自然の中にあるので、散歩にはいいですよ。