窯変椿の絵茶盌
筒型の茶碗で、器全体が窯変(ようへん)と呼ばれる若草色と枇杷色が入り混じった絶妙な色合いが魅力です。窯焚き中に松木の煙が窯の中に流れて、器の釉薬に煙がたくさん当たると、化学変化を起こして若草色に発色します。あまり当たらなかったところは化学変化を起こさず、枇杷色に発色しています。煙の作用によって1本釉薬で自然に色が運命づけられたものです。窯変は1回の窯で1~2割程度しか取れません。とても貴重なものです。正面には椿の絵が優しいタッチで描かれていて、薄造りな器と相まって端正でおとなしい茶盌です。
桐箱付/12×9(㎝)