狂言袴水指の制作(Vol2)

前回の投稿から随分と間が空いてしまいました。

公募展用の大物の制作などに追われ、気になりつつ夜も地道に制作に励んでいましたので、中々、手が付けられずにいました。

今日も日本工芸会中国支部第60回記念展の搬出で天満屋に行き、支部の役員の人たちや日通の人たちと荷造り作業をしたりで、作業が出来ない日も多々あり、何かと落ち着かない日々を過ごしています。

 

前に狂言袴水指の制作についてお話した続きです。

四角い蓋の取っ手ですが、この水指の取っ手はロクロ挽きした蓋に横長の長方形のパーツをサイズに合わせて手で作り、本体の蓋に泥漿(どろ)を付けて、ヘラで取り付けていきます。これも蓋と取っ手の硬さができるだけ同じになるよう、先に形やサイズを仕上げる蓋が乾燥しすぎないように注意しながらの作業になります。乾燥具合が違うと、当然収縮率が違い切れて品物にならなくなるので、とても気を使います。蓋と取っ手の接着面の処理が雑だと、水指自体の見栄えが悪くなるので、細やかな接着処理を心がけています。この水指の特徴的な部分であり、見所の一つです。

 

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一つ一つが細やかな作業で、蓋が仕上がると、本体と合わせて最初のうちは室でゆっくり乾燥させて、歪みが出ないようにします。急激に温度が上がるような部屋とかエアコンなどの風が当たるような部屋で乾燥させると、一方だけが乾燥が進んだり、切れが生じたりします。じわりじわり乾燥させて、ある程度乾いたら、室から出して水分を取り除いてあります。

室で乾燥させている時も本体と蓋のサイズがきっちり合っているかチェックしながら、ややきつかったりするときは、蓋をペーパーなどで削ったりして微調整をしてきます。

そして、素焼、釉掛け、本焼と経て完成するわけですが、最後の本焼で四角い形状ゆえ、土の厚みや四角に成形した時の力の加減の違いで、歪んだり、ひずみが出てしまうことがあります。こればかりは焼いてみないとわからないので、最後の最後にやられた!と思う事もあります。

ですから、手間暇かけて制作して焼けのいいものは特上で、特に好まれる水指の一つです。