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虫明焼について

これまでの歴史

虫明焼がいつの頃から始まったかは、色々な説があり、未だに明らかではありませんがおよそ300年ほど前ではないかと言われています。
この虫明の地は岡山藩筆頭家老、伊木家の領地で3万3千石を賜り、お庭焼としてこの地に焼物が生まれたのであります。

そして、この伊木家の中でも14代伊木忠澄(号:三猿斎)という大茶人のもと京都の清風与平、楽長造、宮川香山(号:真葛)など当時の名工を
招聘・指導し、虫明焼の作風が京風の帯びた粟田風な薄作りの作風へと変わっていきました。

まさに当時の大茶人、伊木三猿斎が虫明焼の中興の祖であり、茶陶窯として生まれたのであります。

虫明焼の特徴

【 粘土 (ねんど) 】
主に山土が主体で粘りがあり、コシがあって火色が良く、耐火度の 高い地元の粘土を主体とした 原料を昔ながらに調合し、
水簸(すいひ)し、独自の粘土を 作っています。

【 釉薬 (ゆうやく) 】
虫明の基本となっている透明釉は、
天然松灰を主原料に自家精製した透明の灰釉です。
粘土の良し悪しにより、発色が
大変違ってきますので、
粘土には特に気を使っています。

また長年、釉薬の研究に努めています。
天然松灰による透明釉を基本として、灰釉全般、天目などの鉄釉、辰砂をはじめとする銅釉など、
作品のバリエーションは多様です。
透明釉の良さを生かして、斬新な造形感覚を生かした象嵌(ぞうがん)※と呼ばれる手法を
取り入れ、伝統の中にも新しい虫明焼の作陶に取り組み、高い評価を得ています。

象嵌(ぞうがん) とは・・・
いったん成型した器に彫刻を施し、そこに色の異なる土などの異質の素材を嵌め込むこと。
そのため、素地土の収縮率の違いから、完成後の乾燥時に素地が切れることがあり(一度切れると作品にならない)、
手間と根気が必要とされる難しい技法。

【 造り 】
京風の影響を受けた、薄作りで淡性な粟田風のひなびた風情のある作品となっています。

【 釉調 (ゆうちょう) 】
灰釉のおとなしい青色、赤色、黄色と1つの釉薬によって、施釉の濃淡や松木の焚き方によって
いろいろな色調に変化します。
虫明では他の産地のように酸化(有酸素状態)・還元(無酸素状態)と完全に焼成方法を分けずに、
両方が融合した、いわゆる窯変(ようへん)を狙った虫明独自の焚き方をしています。
したがって、松木の焚き方や煉らし方が大変重要であります。
特に窯変(ようへん)による色調の変化は、すばらしい味のある焼に変わってきます。

虫明焼の魅力とは

一番の魅力は、やはり灰釉の持っているおとなしい飽きのこない色調です。
特にお茶席などでの色々な取り合わせにおいて、
この虫明焼はどの焼物にもしっくりとなごむ。
これは虫明焼のおとなしい色調がそうさせているのでありましょう。

虫明焼の継承

虫明焼は代々、一家で継承したものがなく、いわゆる師弟関係で続いており、
わが黒井家もその継承を正統に引き受け現在に続いています。